1990年代
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★クマさん 2013.04.05

20歳そこそこの頃、ギターの弦を買いにあぽろんへ行きました。すると壁に1965年製のギブソンJ-50がぶら下がっていて、妖気を放っておりました。すごい貫禄。
どうしても弾いてみたくなり恐る恐る試奏をお願いしました。若造がとても買えるような価格ではなかったので試奏のみのお願いです。店員さんはとても気さくに「いいですよ!」と言いギターをおろしてくれました。生まれて初めて弾くオールドギターでしたのでドキドキしました。

チューニングされたギターを抱え、背筋を伸ばし、ローコードのGをジャランと弾きました。

全身の毛穴が開きました。コード一発で全てが変わりました。それはレコードで聴く音でした。口では表現できません。頭が真っ白になりました。これが良いギターというやつの音なのか!!

あんなのを弾いてしまったら真っ直ぐ帰れるわけがありません。弾いてしまったのが間違いだったのです。けれど私にはお金がありません。すると店員さんが気さくに言いました。「一応、クレジットも組めますよ!」

しかし私はまだクレジットカードすら持っていませんでした。それを伝えるとまた店員さんが気さくに言いました。「ああ、カードがなくても組めるクレジットもあるんですよ!」

ぬぬ。しかし私は弦を買いに来ただけなので、印鑑だって持っていません。すると店員さんがまたまた気さくに言いました。「実は拇印でも大丈夫なんですよ!」

幸か不幸か、人差し指は持っていました。

そして私は弦を買わずに店を出て、家に帰りました。J−50と一緒に。

あのギターはこれまでの人生で間違いなく一番良い音がしました。あれを超えるギターにはおそらくもう出会わないだろうと思います。ジェームス・テイラーの音がそのまましました。ちなみに数年後にお金に困り、苦渋の決断で手離しました。もちろん、下取り先はあぽろんです。とても気さくに買い取ってくれました。今は手元にないけれど、生涯忘れることのできない思い出を、あぽろんに売ってもらいました。新潟ではあぽろんでしか買えないですね。あのギター、もう一度欲しいなぁ。

とにかく言いたいのは、あぽろんは気さくだということです。